今朝の新聞で池澤夏樹さんが「身に染みる衰え」について書いておられた。加齢に伴っていろいろ不都合なことができてきたという個人的な感想のあと「高齢化でこの国は活力を失うだろう。・・・若い世代を準備しなかったのだから当然である。」と自分たちの世代の責任に言及しつつ「年下の諸君、幸運を祈る」と結んでおられる。池澤さん74歳、同学年である。
別の紙面では上野さんが若い人と対談して「フェミニストとして主観的に言うと、高齢化と人口減少とで、競争のないゆとりのある社会に変わってほしい。」と述べておられる。
どちらも無責任な希望的願望のようなもので若い人が読んだら「何を勝手な」と思うかもしれない。
この国がじり貧に陥っていくのかゆとりのある社会に変われるのか、今やトシヨリはお手上げなのだからもっと若い人に書かせればいいのにと、同じトシヨリとして分不相応なことも言いたくなる。いくら未来が暗いからといってトシヨリだって若い人の活力に満ちた話が聞きたいのに。
昨日から二人の昭さんの本を読んでいる。吉村昭氏と阿部昭氏の『関東大震災』と『千年 あの夏』である。併読などというのはあまりしないのだが、吉村さんの本があまりに重苦しいので時には息を抜きたくなるからだ。
作業場のラジオ全開秋暑し
- 作者: 吉村昭
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- 作者: 阿部昭
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