猛暑

『死をみつめて生きる』 上田 正昭著

 副題は「日本人の自然観と死生観」。東日本大震災後、寺田寅彦博士の「日本人の自然観」のいましめを思い出したことがこれを書くきっかけになったとある。つまり災害の多い日本では自然は時として「厳父」として「遊情に流れやすい心を引き緊め」てきたが「西欧科学の成果を何の骨折りもなくそっくり継承した日本人」の現在のありようを「ただ天恵の享楽にのみ夢中になって、天災の回避の方を全然わすれているように見える」と戒めた一文である。まさに今回の原発事故などはこの警告そのものであるといってもよく、上田先生はそれゆえに自然と共に生きてきた日本人の原初の心を諄々と語られるのである。

「又、人はさらに云わず、鳥獣木草のたぐひ海山など、其余何にまれ、尋常(よのつね)ならずすぐれたる徳のありて、可畏(かしこ)き物を迦微(かみ)とは云なり」

本居宣長の言葉を引いて日本ではあらゆるものに神性をみいだしてきた。そのありようは決して未開・原始的なアニミズムとして下等に見られるものではなく、むしろこれからの世界の宗教の目指すべき方向を示唆するものではないかと言われるのだ。

 

 

梅雨明け以来連日の猛暑日である。昨日、一昨日と岐阜県は全国一の暑さを記録。諸々の出来事も重なって「勉強?」も中途半端である。

 

 

 

         早起きは三文以上猛暑かな