柚子湯

 帯状疱疹の神経痛が長引いて頻繁に医者通いで気が滅入る。昨日も病院の会計窓口に並んでいたら(昨日は放射線科の先生の診察)列の後ろで爺さんたちが大声で放談するのが聞こえた。久しぶりに病院に来たら人が多いのに驚いたという話から始まって、老人が長生きしすぎるとか、昔なら寿命としたのにいまではなんでも治そうとするとか、これでは医療制度も立ち行かなるはずとか、喧しい。そういうご自分はどうですかと言いたくなったが、もちろん黙っていた。若い頃は医療制度の恩恵なんぞほとんど必要としなかったのだが今は最初に書いたとおりである。なんと言われようとしかたがない。調子が悪ければ通うしかないのである。

 

 宇多喜代子「戦後生まれの俳人たち」を読んでいる。戦後生まれといってもこちらもそうなのだから若いとは限らない。70歳代から一番若い人で30代まで、大半はすでに老人の域に近づいた人ばかりである。各自の自薦10句を宇多さんが鑑賞、批評しているのだがその視点が勉強になる。もちろん宇多さんの物差しはかなり広いのだがそれでもあまりにも前衛的(?)なのは認めないのだとホッとする。とにかく100人以上を取り上げておられるのでぼちぼちである。

 

 

 

 

         柚子湯して獅子身中の虫宥む

 

 

 

 

戦後生まれの俳人たち

戦後生まれの俳人たち