冬の雨

 昨日から玄関ホールの床のりホームが始まった。ホールというほどたいしたものではないがもともと田舎の広い土間だったのでそれなりの広さはある。床を張って四十年にもなって少しフワ付いてきたのでりホームすることになった次第。玄関だからあまりものは置いてないのだがそれでも本箱やら何やら移動させてそれが隣の私用の部屋に所狭しと並べてある。本箱から出した百科事典やら文学全集、夫と私の意味の無くなった買い物の最たる例で本当はもう全部捨てたい。燃えるゴミに出すのか紙の日に出すのか面倒でしまってあったのが湿気臭い匂いを醸している。本当は今日で終わるはずだったのだがあいにくの雨で一日伸びた。

 一昨日図書館で梯久美子さんの『狂うひと』を借りてきた。一昨年出た時に話題になっていたが多分重苦しいに違いないと手が出なかった。最近梯さんのエッセイを読んだから挑戦する気になったのだが想像以上の力作である。なにしろ600ページ以上もあるので簡単には読めない。内容は今のところは夢のような恋愛譚である。 

 間の悪いことに図書館から帰ってすぐの夜、予約本の貸出可のメールがきて今日またあたふたと出かけてきた。『たそがれゆく子さん』伊藤比呂美さんである。豪快なバシバシした文章でこれは面白そう。こちらをまず読むことにするかと移り気である。

 また遊びに行こうかという話になっている。季節のいい時体調のいい時と思えばもうそんなにはないかもしれぬとというのがいい訳である。

 

 

 

 

     向かひあひそれぞれのこと冬の雨

 

 

 

 

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

たそがれてゆく子さん (単行本)

たそがれてゆく子さん (単行本)