日和を考えて出かけたつもりなのだが変わりやすい秋の天気でコンビニで傘を買うはめに。幸いにもパラパラ程度ですんだのだが、思ったより足が萎えており廻ったのは三箇所がやっと。
門徒であるのに本山も知らぬとのH殿の希望どおりまずは東本願寺。子供の頃母に連れられて参拝したことや姉のデートにくっついて行ったことなどを思い出す。それにしてもお東さんは蛤御門の変で類焼したとは知らなかった。建物はいずれも明治以降のもので文化財には指定されていない。
お東さんへ参ったからにはお西さんにもと西本願寺にも参る。こちらは江戸初期の建物で国宝や重文ばかり。古い建物だけに照明に乏しくかなり薄暗い。残念なことに「唐門」が修復中で公開されておらず拝見できない。書院なども特別な許可がいるようでまた別の機会となる。
三っつ目は銀閣寺。ここも久しぶりの再訪である。参道に店が並んで随分賑やかになっていたのだが以前もそうだったのか思い出せない。歩いている人をみると外国からの観光客の多さに驚くばかり。修学旅行生以外は外国人のほうが多いように感じる。たまたま「秋の特別拝観」ということで別申し込みをして「東求堂」(国宝)と「本堂(方丈)」「弄清亭」に入れて頂く。「ブラタモリ」でみた四畳半・書院造りの原型の「同仁斎」である。出文机や違い棚に古式どおりに文具が配置されており落ち着いた空間に義政の美意識が垣間見られる。特別拝観をしたのは日本人ばかりの少人数で、じんわりと歴史を感じることができたが裏山で過日の台風の後片付けとかでチェンソーの音が煩かったのは興ざめであった。
お決まりの観音殿
東求堂と薄紅葉
紅葉前で平日でもあり人出は混雑するほどではなかったが以前よりも外国からの観光客がずいぶん多いのに驚かされた。外国からたくさんの訪問者が訪れて国と国との垣根が低くなればそれはそれでいいことじゃないかとそんなことも思わされた。
秋の日や出文机(だしふづくえ)に筆硯
*出文机・・・同仁斎に備え付けられた文机