『海に沿うて歩く』 森 まゆみ著
森さんの旅日記である。島・半島・町並み・物語の地に分けて三十一ヶ所。森さんらしい洞察と感想、土地の人々との交流とけっこう楽しく読んだ。出てくる土地の人々は多くは高齢であるから、これらの話も早晩消えていくこの国の姿かもしれない。それにしても彼女は随分の酒豪だ。繋がりの拡がりに連れてグイグイとお酒の進むのもまた、羨ましい。旅の途中の話で、やはり旅の人であった宮本常一のことが二回ほど出てきたが、彼の人は実に話の聞き上手であったらしい。いつもメモひとつとらなかったということで、森さんもそれには驚いていた。いつも駆け足で上っ面だけ見てくるようなわれわれの旅には真似するべくもないが羨ましいことだ。
どんよりと雨模様の午後で録っておいたビデオを観る。「深夜食堂」。この前何の気なくちょい見をした大阪西成の24時間食堂に通じるものあり。悪い気がしない後味だった。人間、どんな時でも美味しいものを美味しく食べられればそれがまず一番の幸せということですね。
時の日や終末時計の針如何に
去年の米朝緊張の頃を思えば、多少は先行きは明るくなるのでしょうか。
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