『みんな昔はこどもだった』 池内 紀著
池内さんの本だからTが読んでいたのをまわしてもらう。様々な分野で功成り名を遂げた人々十五人の子供時代を、その著書から振り返る企画。知っているひともあれば知らない人もあり、残念ながら知らない人はあまり興味が持てない。いずれも筆者の語るごとく「幼い人生の始まり。最初の一歩が行く末をそれとなく暗示している」。
振り返って己のことを考える。「俳句」の一歩は六歳頃の母との対話。俳句というものがあると教え、初めて五・七・五でものしたら母がほめてくれたこと。「本好き」の一歩は案外本を買ってくれる環境にあったこと。姉たちがすでに大人だったせいもあるかもしれない。「歴史好き」の一歩も芝居や昔話をよくしてくれた母の影響かもしれぬ。余談だが母の昔話が高じて「人の始まりをイザナギ・イザナミだ」と力説して「サルだ」と言った男の子と対立したこともあった。相手は国定君、名前まで覚えている。かわいい一年生の頃です。
まあ、自分のことはどうでもよいのだが、やはり「三つ子の魂」は肝要かもしれぬと思う。
抗がん剤の服用やら放射線治療などようやく半分が終わる。だんだん副作用がきつくなり頑張りどころ。痛み止めを飲むとぼんやりうとうとして本を読む気にもなれず。
あまねき陽たえず舞交ふ蝶のかげ
アンネの薔薇 今年はよく咲きました。
- 作者: 池内紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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