「未来への記憶 上・下」 河合 隼雄著
この前読んだ本のユング心理学に触れた部分が気になり、Tの本棚から河合さんの本を出してきた。副題で「自伝の試み」とあり河合さんからの聞き書きをまとめたもの。これならまず読めそうと踏んでのことである。予想に違わず読み易いうえに面白くて一気に読めた。河合さんの生い立ちから始まり紆余曲折の果てに臨床心理学に目覚めスイスに留学、分析家の資格を得るまでの話である。いくつか気になった部分があったが、そのひとつは「シンクロニシティ」(共時性)という考え方。私にも経験があることだが、娘のYに久しぶりに電話でもしようかなと思うとふいに向こうから電話がかかってきたりすることがある。あまりにも出来過ぎた偶然の一致だと驚くのだが、ユングはこうした因果関係のない偶然の一致を「シンクロニシティの原理」で考える必要があると言ったらしい。それは偶然であるように見えて偶然でないということなのか。とにかく今はなにもわからないがよくあることだけにもう少し知りたい。その他に「夢」に意味を見出す話もよく出てきたがこのあたりも気になるところだ。
まあそんなことを考えながら寝たせいか今朝方の夢で金子兜太さんが出てきた。もちろん面識のない方なのにである。最近お病気のようで朝日俳壇の選者もお休みである。作句を怠けているからの夢かしらん。
身を捩る日本列島寒波来る
- 作者: 河合隼雄
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