「日本人はどこから来たのか?」 海部陽介著
題名に惹かれて読み始めた。一般向けの内容でもあり理解力の乏しい頭でもかなり面白く読めた。アフリカに端を発したホモ・サピエンスがユーラシア大陸を東進して日本列島に至るまでの経緯である。それは約38000年ぐらい前のことで三つのルートが考えられるらしい。対馬ルートと沖縄ルート、北海道ルートで、この内最も難しい沖縄ルートについては検証実験も試みられたらしい。(3万年前の航海 徹底再現プロジェクト)それについては、確かテレビのニュースでも見たような気がする。さて、こうして列島にやってきた人々が、われわれの祖先かというとそれはなかなか簡単にいえるものではないらしい。この本の書評で一昨年にわかった縄文人のDNAについて何ら言及されていないのを厳しく批判する人がいたので、そのへんのことを少し調べてみた。(「縄文人の核ゲノムから歴史を読み解く」)福島県で発見された縄文人のDNAによれば、彼らは全く独自の存在のようで現日本人との共通部分はわずか12%しかないというのだ。あの独創的文化を持った縄文人との繋がりがうすいのはなんだか残念な気がする。つまりわれわれは縄文人より現東アジアの人々との方がより近いらしい。永い旅の先にたどり着いた東端の列島で様々な混血があったということなのだろうか。
的を得て吉兆となる弓初
- 作者: 海部陽介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: 単行本
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