夕焼け

 図書館から予約本の「受け取り可」のメールが入る。本の著者は茨木のり子。詩集をTが持っているというので借りて読む。知っているのもあれば知らないのも。知らないほうが圧倒的に多い。力強いはきはきとした修辞。小気味のいい読後感。こんな調子で昨夜の愚行も叩き切ってほしいと思ったら、こんな一節が。

 人の身の上に起こることは
 我が身にも起こりうること 

 よその国に吹き荒れる嵐は
 この国にも吹き荒れるかもしれないもの

 けれど想像力はちっぽけなので
 なかなか遠くまで羽ばたいてはゆけない

 みんなとは違う考えを持っている
 ただそれだけのことで拘束され

 誰にも知られず誰にも見えないところで
 問答無用に倒されてゆくのはどんな思いだろう

                中略     「灯」より

 反対する人より賛成が上回っていたNHK世論調査。ほんと、想像力が乏しすぎる。茨木さんが知ったら歯噛みをして悔しがりそうだ。




      夕焼けて少年糸を垂らしをり