燕の子

 小沢信男さんの「ぼくの東京全集」をほぼ読了。なかなか良かった。また池内紀さんの解説がいい。「その書物は溌剌としてエスプリとユーモアに富んでいる。やんわりと毒がこもっていて辛辣で鋭い。それでいて表現に恥じらいがあり、凛とした美意識につらぬかれている」とは最高の賛辞であろう。小沢さん、御歳90歳のはずである。
 久しぶりに図書館へ。今日は結構収穫あり。新刊で山田風太郎さん「風山房 風呂焚き唄」、荒川洋治さん「過去を持つ人」、林京子さん「長い時間をかけた人間の経験、つばた夫妻の「ふたりからひとり」。どれから読もうかしらと楽しみ。

 「聖五月」とはよくいったもので人の世のいかがわしさもかかわらず花は咲き命は生まれる。庭をひとまわりすれば静かな活力も。




     新任の駅長となり燕の子