桜しべ

 昼前一天にわかにかき曇ってザアーときたのに小一時間ほどで日が差してきた。カメラを片手にフワフワと庭に出て珍しいものを見つけた。アゲハチョウの交尾である。カメラを構えて近寄っても微動だにしない。嫌になるくらい長い長い。後で調べたら一時間も頑張るらしい。アゲハの幼虫は好きではないが、命が元気なのはいいこと。そういえば、ミツバチは全く見かけない。いつもなら菜の花に群れているのに。

 
 掲載句の長谷川久々子氏は長谷川双魚夫人だった人。双魚氏は岐阜の人である。最初に師事した藤田先生の先生ということで久々子氏の若い頃のエピソードをよく聞かされた。




     たましいの糸引くように桜しべ  長谷川 久々子