春雨

 四月の始まりは小寒い雨。今日と明日、娘のY一家が来訪するのだが、どういうわけかやって来る日の半数ぐらいは天気が良くない。今回も案の定昨日からの雨が残り寒い。ご馳走というほどのことはないのだが孫達の好きなものを考えて献立を作った。

 この週末は当地は「桜まつり」だがソメイヨシノはまだ一分も咲かず、こんなことは珍しい。屋台の設置は進んでいたようだが、淋しいお祭りになりそうだ。

 掲載句の「内藤丈草」は芭蕉に愛された晩年の弟子。隣町犬山市の出である。犬山藩士だったが病弱で弟に家督を譲り隠棲したというが、その人柄のようにしみじみとした優しい句が多い。心惹かれる作家のひとりだ。つい先日まで犬山市立図書館で特別展があったようで、残念。




    春雨やぬけ出たまゝの夜着(よぎ)の穴  内藤 丈草