初時雨(はつしぐれ)

 師走なみの寒気の流入との予報に冬対策におおわらわ。霜に弱い花鉢は屋内に取り込んだり軒下に避難させたり。居座るような寒気でないからまだ大丈夫だとH殿は言うのだが、今年は鵙の初鳴きが早かっただけに心配になる。
 二回目の歯医者。歯科衛生士の方に「6年ぶりの点検ですね」と言われて(毎年点検を勧められていた)恐縮していると「それでも綺麗に磨けていますよ。とてもお年には見えません。◯代かと思いました。」とのこと。(◯は御想像を)この一言で思わずウフフフ、痛いガリガリも忘れていい気分で帰宅。H殿にも自慢をしていたのだが、はたと気づいた。あの言葉はトシヨリへのいたわりに違いない。鏡を見れば真実は明らか。だからと言ってお愛想に気を悪くしているのではない。この前読んだ本でも山藤章二さんが「老いの五徳」として「世の中に甘える」を挙げていたが、いたわっていただけるのならそれを素直に受け入れたい。





     城山は陽の中にあり初時雨