秋没日(あきいりひ)

 今朝起きるなり沖縄首里城全焼とのニュースがショック。実は来週家族で初めて沖縄を訪れる予定であり当然首里城の見学も日程に入っていた。何ということか、言葉を失う。

 

 ほぼ二年ぶりに養護施設に姉を訪問する。前もって甥に様子を聞いてはいたが、どんなになっているかかなり不安な想いででかける。案ずるより易し。「どちら様?」と言われることもなくこちらのこともちゃんとわかった。随分白髪になった当方をとらえて「私の方が若いくらい。これで20も下なのよ」とお仲間に披露する。車椅子になっている感覚がないらしく「何ならかけっこしようか」と意気盛ん。いまでも陸上選手や水泳選手だったことが誇りであるらしい。父や母がすでに亡きことはいつ行っても納得出来ないことらしく今回も信じられないよう。その時だけ「寂しいねえ」と泣きそうになる。

 認知症の出始めのころはいろいろ執着も多く周りのみんなを困らせたのだが今はすっかり穏やかで甥の言葉ではないが「ほんわか」としてまあまあ幸せな晩年かも知れぬ。「またね」と言って両手でしっかり握手をしたら暖かく柔らかい手で握り返してくれた。

 

 帰り、名古屋市美術館の「カラヴァッジョ展」に寄る。Tの説明によればイタリアルネッサンス後のバロックの時代の人らしい。宗教やギリシャ古典に題材をとったものが多く、それも凄惨な場面ばかりで少し気分が悪くなる。これがバロックの特色と言われればそうかなあという感じである。

 

 

 

 

 

        手をかざし自転車を漕ぐ秋没日

 

 

 

 

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