冬瓜

「あんた 大きい冬瓜でもいい?」と夕方玄関からいきなりの大声。いつも冬瓜をくださる隣の畑のIさん。もう八十は越えておられるがすごぶる元気。

「いつもいつも悪いからいいわ」と言うと「なんでそんなこと言うの?食べてよ!」と怒ったように怒鳴られる。

「あんね、冬瓜なんかはいらんという人は料理の下手な人、もらってくれる人はうまい人なんやて。冬瓜は味がないからねぇ。」とこうまで言われては、もらわない手はない。ちょうどいい大きさのものはみんな腐ってしまったからと玄関に転がったのは爆弾のような大きさでびっくりだ。

頂くばかりではと家にあるものをお返しすれば義理堅い彼女はまたまた何かを持ってきてくださる。いつもの年は冬瓜の後はさつまいもをくださる。

「あのね、毎年お薯をもらうけど今年は苗をもらったからうちでもちょっとできると思う」

そう言ったら「そうかね。今年はあんまり肥やしをやらんかったからできとらんかもしれん」そう言って帰っていかれた。

 

 

 

 

            冬瓜の全きままの存在感

 

 

 

 

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