鵙の巣

 「爺さんと鵙」のお話は前にも触れたことがあると思う。H殿が野良仕事を始めると決まってやってくる鵙がいるという話である。すぐそばて掘り起こされる虫を待っているのだと思うが、だんだん慣れてきてほんとうにすぐそばに付いているので、我が家ではかってに「もずくん」と呼び習わしていた。「もずくん」がいつになくいい声で鳴いていると思ったら連れ合いさんが出来て二羽でいると思ったら庭の枇杷の木に巣を掛けたらしい。枇杷の木に頻繁に出入りをしているなと思ったら、今日になって「チュクチュク」と可愛い声がして雛の姿が認められた。驚かしてはいけないとそっと見守るばかりだがH殿も当方もまるで爺婆の気分である。

 

 

 

 

         鵙の巣や爺や婆なる心地にて

 

 

 

 

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