『社をもたない神々』 神崎 宣武著
私の読んでいる本を見てTが買ってきた一冊を先に読ませてもらう。前回のブログで「日本人の宗教的古層はすでに失われたのではないか」と書いたのだが、いやいやどうしてまだまだこんな信仰形態がのこていますよという話だ。著者は民俗学者でかつ現役の神社宮司、自身が携わられたいくつかのアミニズム的宗教行事をもとに日本各地に残る同様の祭祀を紹介されている。
ケーススタディ(1)から(5)で紹介されたのは歳神と田の神・山の神・大樹の神・塞の神・産土神と地神である。読んでいて思ったのだが、うちの辺りでは田舎にもかかわらずもう何ものこってないということだ。それでも年神さまを迎える歌
お正月さまござった
どこからござった
山からござった
ゆらゆらと
ゆずり葉にのって
山からござった
この一部は昔母から聞いて歌ったこともあり懐かしく思い出した。やはりお正月さまは「山からござる」ものだったのだ。
アミニズム的信仰がまだこんなにも残っている日本は珍しい、これらをなんとか伝え残していきたいものだとの思いがこの本の趣旨である。
そういえば今日は節分だが「豆まき」は「追儺」という信仰伝承だが「恵方巻き」とか「鰯」とかは単なる呪いらしい。例年通り我が家は「鰯」の呪いだけをすることに。
豆まきやはやりの顔の揃い踏み
- 作者: 神崎宣武
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/01/18
- メディア: 単行本
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