焼栗

  H殿がYにブロッコリーの苗を取りに来るように連絡したことからY一家が揃って来宅。気持ちのよい秋日和だから何処かに出かけようかということになる。始めは岐阜市の歴史博物館での発掘展のつもりだったが駐車場はどこも満車でとても近寄れない。急遽揖斐の古刹巡りとする。

 最初に訪れたのは「横蔵寺」開山が伝教大師と伝わる古刹である。かってはたくさんの僧坊を持つ寺だったようだが今は仁王門・三重塔・本堂などを残すのみ、いずれも江戸時代初期のものである。本尊の薬師如来秘仏で六十年に一度の開扉。前回の開扉の時に拝顔したがあまり大きくない可愛らしい仏様であった。また、ここには江戸時代の即身仏も祀られておりこのお姿には孫達もびっくり。納得の入滅というが苦悶に見える表情が痛々しい。紅葉の名所でもあるがまだ時期にはやや早く人出も少ない。京や奈良の寺と比べると古びぐあいも著しくてうら淋しい感じがする。

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 「横蔵寺」の後、道の駅で簡単な昼食後に「谷汲山華厳寺」へ。ここは西国三十三所巡りの結願寺である。長い参道の両側には古びてはいるがそれなりに参道らしい店も並び遍路姿の参拝者もちらほら。本尊は十一面観音菩薩というがお姿はよく見えない。本堂の下が「戒壇めぐり」になっており、未体験という娘婿と孫達が体験する。私は昔随分気味の悪かった思い出があったが男孫達は平然と何事もなかったようである。

 片道一時間もかかるという奥の院まで行きたいという元気な若者達を引き止め、傾きかけた秋の日とともに帰宅。秋の美濃路というか柿もたわわな田園風景に加えY一家と一緒でどうにか足も動いて楽しい一日であった。

 

 

 

 

     参道に栗焼きつづけ老夫婦

 

 

 

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