草の実

『リガの犬たち』  ヘニング・マンケル著 柳沢 由美子訳

 ヴァランダー警部シリーズの二作目である。今回は背景にソビエト連邦の崩壊とバルト三国の独立がある。既得権を守ろうとする一派と自由を得ようとする一派の対立にヴァランダーが巻き込まれるという話である。ヴァランダーは相変わらず格好良くはないが身体を張って問題に立ち向かう。女性に弱く惚れやすいのも同じだ。ミステリーというよりサスペンスで私としては前作の方が面白かった。

 さて、わがヴァランダー警部は警察の仕事に嫌気がさし警備会社に転職しようかと迷っておられるようだがどうされるのでしょうか。

 

 バルト三国といってもこの話はラトヴィアが舞台だが岐阜では最近リトアニアはよく知られている。例の杉原千畝さんがらみである。杉原さんの出身地には業績を顕彰した記念館もある。

 

 

 

 

     草の実の触るるを待てるものばかり

 

 

 

 

リガの犬たち (創元推理文庫)

リガの犬たち (創元推理文庫)