荒梅雨

各地で大雨による被害が増えている。雨はいっこうに止まない。昼過ぎには岐阜県にも「大雨特別警報」が出された。もっとも我が家辺りの平野部ではなく山間部地域が対象なのだが、何とか大過なく過ぎてほしい。

 ものの本によれば暦の上では「夏至の後の庚(かのえ)の日が梅雨明けの日」と決まっているらしい。さすればちょうど今日がそうなのだからもういい加減に止んでもいいころではないかしらん。そう思っているはなから雷鳴と激しい降り。

 

 今日の新聞の読書欄に「是枝映画の源流」と称して朝日新聞編集委員の石飛徳樹氏が書いていた記事が目にとまった。是枝作品といっても見たのは「歩いても歩いても」「海よりも深く」「海街ダイアリー」の三作品だけであるし、話題の「万引き家族」は見るつもりもないのだが、いつも心に残る家族の話だと思っていた。しかし、それぞれの作品を貫く監督の視点や考え方がわかったようでわからなかったのだがこの記事を読んでそれがはっきりとした。

 石飛氏は是枝映画は「単純化を嫌い、複雑なまま世界を提示する。」ことにあるのだという。家族だって「家族だからわかりあえる」のだはなく、「家族だからわからない」こともある。映画が描いたように単純に整理説明出来ない人間のさがや人生や現実。それこそが是枝映画に示したリアリティであり、だから共感できたのだと納得した次第。

 

 

 

 

     荒梅雨や雨の匂ひと夫帰る