再び「俳句」について
昨日の朝刊、この地方の文芸欄に家人の荻原裕幸氏が『ベスト100 武藤紀子』について書いておられる。武藤さんは俳誌『円座』の主宰でなかなか豪放磊落な女性、花に例えれば大輪のひまわりとでも言おうか。一時期この結社に身を寄せていて感じた印象である。
この本はふらんす堂から刊行された自句自解のシリーズの一冊らしいが武藤さんらしい実にユニークな自注らしく、荻原氏も「こんなにぶっちゃけていいんだろうかと心配したくなるような面白さである」と書かれている。
引用されている句も例えば
飯盒・背嚢・毛布・靴・冬の雨 なにこれって俳句?というものもあれば
蕗を煮る柱時計の音の中 という古典的なものもある。
前者は作詞家の山口洋子の「横浜・黄昏・・」と「言葉を重ねる」イメージに触発されたらしいし、後者は実は「アスパラを煮る」だったというのだ。「蕗を煮る」といかにも俳句らしくふるめかして、長谷川櫂氏「古志」の巻頭を取ったということで、ぺろりと赤い舌を出した武藤さんが目に浮かぶ。
一家を構えれば何を作っても俳句と認められるところが羨ましいといえば羨ましい。しかしまあこの自由な姿勢は見習わなければと思った次第。
それで今日も勝手な句を掲載します。これは季語が問題です。
アフリカを出でし人類草萌える