NHKBSで映画「ビューティフル・マインド」を見た。別に見るつもりはなかったのだがあまりの寒さに暖房の部屋で縮こまっているうちに見てしまうことに。

 アメリカ映画で実在の人物「ジョン・ナッシュ」を扱った話だ。実は、彼がノーベル賞を受賞した数学者だということも彼が長い間精神を病んだということも知らなかった。見終わった後調べてみたら映画ほどキレイ事ばかりではなかったようだが、彼が長い闘病の果てに大学に復帰し、ノーベル賞を受賞したというのは事実そのものらしい。映画のなかで彼の妻が「(回復の)可能性にかけてみるの」と叫んだ一言は物語の核心に迫る言葉でなかなか感動的でもあった。

 昨日、一昨日と二日続けて大学に合格したTの教え子の訪問を受けた。二人は夫や私のかっての教え子でもあり、幼かったころからの思い出話も含めていろいろ話がはずんだ。そのうちのY君は中学の頃はなかなかの問題児でパトカーに乗ったことを自慢していたくらいだが今やすっかり勉強家に変身、大学では電子工学に取り組むという。小中学校で手に負えなかった子がすっかり変わったというのはY君に限らずいくつも見てきた例で、長い時間をみてこなければわからないことだった。

 それやこれやを考えれば長い人生に紆余曲折はつきもので棺の蓋を覆うまでは何が是で何が非かわからないということなのだろう。そうはいっても凡夫の悲しさ、目先の結果にとらわれてすっきりと悟れぬのが残念。

 二月十日 石牟礼道子さん逝去。

 

 

 

 

     ひとすじの道尊けり梅白し

 

 

 

 

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