冬籠

 十二月の初めから編み始めていたベストの後身頃がやっと編み上がった。またまたベストでそれも去年と同じパターン。本当は違うものをと思っていたのだがいつもの毛糸が3割ほどの廉価でセールされているのを見つけてつい節約精神が働き、同じもの編むことにした。ところが年末から例の「母指cm関節症」親指の付け根の関節の変形である。原因は老化と使い過ぎによる軟骨の摩耗らしい。ともかく労って使うしかないので、サポーターをしながら少しずつという有様。こんな様子だから前身頃も編み上がるのさえこの冬に出来上がるのかどうかわからない。それなのにまた次の糸を買ってしまった。というのは今回買った糸はちょっと不思議な糸なのである。ドイツ製の「オパール」という毛糸でたんだら染になった糸に従ってメリヤス編みの裏目と表目を繰り返すだけでも模様ができるというものなのだ。たまたま見た「すてきにハンドメイド」で紹介していたのだが面白いと思って編んでみたくなった。この糸と作品を紹介しておられたのは梅村マルティナさんといってドイツ出身の人。日本には医学研究者として来られたらしいが、東日本大震災の後、編み物で被災者を慰めようと被災地に毛糸を送られた。それがきっかけで今は気仙沼で毛糸の輸入販売、製品の加工と販売、編み物教室(梅宮マルティナオパール毛糸)などをなさっているというのだ。気仙沼といえば「ほぼ日」のニット会社もあるがそれとは趣の違う会社だ。送られてきた糸は綺麗なだんだら染め。編むのは「腹巻き帽子」子どもの腹巻きにもおとなの帽子にもネックウオーマーにもなるというもの。いつごろ編み始められるかわからないがぼちぼちといくつもりだ。

 

 

 

 

     声高きまちがい電話冬籠

 

 

 

 

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