走り梅雨

 二日続きの雨模様。あまりにも乾いでいたので作物には恵みの雨だと思ったが二日も続くと気分は重い。
 梁の古時計が重い時鐘を鳴らす。少しの間音無しだったのに、何故かこのところまた鳴り始めた。一時間ごとに時間の数だけと三十分には一回のボンボン。もう半世紀以上わがやの歴史を刻んでいる「おじいさんの古時計」である。父が掛けねじを巻き、そして今は夫がねじを巻く。「たまたま駅で『おじいさんの古時計』の曲を耳にして田舎のおじいさんとと時計を思い出していたら、おじいさんの訃報が入ったんだ」とは不思議な甥の話。ねじが緩んでくるとちょっと不正確になるが梁を見上げる習慣とともになくてはならぬ存在だ。おやおや七時の時鐘はお休みだったようです。ちょっとアバウトなのは相当にお年のせいでしょう。





     走り梅雨あつかいにくきにきび面