「あたらしい憲法のはなし」
 憲法記念日にちなんで「あたらしい憲法のはなし」と「憲法前文」を読んだ。前者は1947年の文部省発行の中1社会科の教科書。朝鮮半島の不穏な情勢により、すでに1952年に発行されなくなったというから束の間の存在であった。当然だが1958年に中1になった者としてはお目にかかっていない。今は「青空文庫」にあり、ネットでダウンロード出来る。わかり易い解説、素朴な図などで新憲法への高揚した気分が伝わる。が、部分的には今の人権意識からするとどうかなと思う記述もないではない。この教科書を初めて読まされた13歳はどんな気持ちだっただろうか。
 後者「憲法前文」は何度読んでも感動する。社会科の資料にあって授業に倦んだ時などにこっそり読んだこともあった。先ごろ「教育勅語」を暗唱させる幼稚園が話題になったが。憲法前文こそ暗唱させるほど子供たちに読んで欲しいと思う。だが、学校で読ませることは殆ど無いのではないか。こういう素晴らしい前文から現実がだんだん乖離していくのは、たまらなく悲しいことだ。




     鋭角に飛び交ふ燕夕川面





あたらしい憲法のはなし

あたらしい憲法のはなし