春祭

 郷社の例祭で朝から祝砲が上がる。去年も書いたが祭神は「手力雄尊」天の磐戸を開き放った力自慢の神様である。三年ごとに神輿当番が廻ってくるが、今年は違うので祭りといっても静かなものだ。これも先に触れたが織田信長の尊崇が厚かった神社でもある。信長といえば「安土城天主信長の館」で宣教師がスケッチしたという「信長像」を見た。細面のなかなかのイケメン、怜悧で神経質そうな近代的風貌である。ルイス・フロイスが「酒を嗜まない」と書いていたのも意外だった。だれが演じるかと考えると、俳優では長谷川博己あたりがいいかもしれない。

 例年のごとく本家のYちゃんが夏野菜の苗を届けてくれた。取り敢えずトマト(桃太郎)・万願寺とうがらし・茄子・胡瓜を入れた。トマトは10本も入れたのでうまくいったら食べきれないかもしれない。一緒に太い筍を3本も持ってきてくれたので1本はお裾分けして残りを湯がく。それだけの大鍋のない我が家としてはなかなか大変。この後、Iさんからも「筍は如何」と電話。ああ、重なる時は重なるもので折角の好意をお断りすることに。





     夕暮は雲に埋まり春祭   広瀬 直人