「死を想う」 石牟礼道子 伊藤比呂美著
親の介護中だった伊藤さん、「死」というものについて考え始めた。死とはどういうものか。「あけすけに聞けないし、聞いてもあけすけに答えられない」だろうと、ここは親しい先輩の石牟礼さんを相手に頼んだ対談。伊藤さんらしい実にズバズバとした問いかけと石牟礼さんらしいねっとりとした土俗的答え。石牟礼さんの身近な人の死の話から始まって、お経のこと、梁塵秘抄のこと等々。「仏も昔は人なりき、我等も終には仏なり」梁塵秘抄の一節に感動して共感するお二人。死の話といっても明るくて肯定的。最後は石牟礼さんの偈をお経のように唱えて終わる。
十年ほど前の本でお二人も歳を重ねられたし、伊藤さんは近著の紹介ではご両親のみならずご主人も送られたようだ。その後の死生観など聞いてみたい気がする。
それにしても伊藤さんの率直な物言いは好きだな。
図書館周辺の桜はまだ持ちこたえている。風は強いが花を愛でて散策する人多し。
高値付くことなど知らぬ子猫かな
- 作者: 石牟礼道子,伊藤比呂美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
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乙女椿