永き日

 このところ新聞を見ても気の重くなる記事ばかり。シリア情勢然り、南も北も含めて朝鮮半島の問題然り。にわかに戦争というのが現実味を帯びてきた。そう思う人が多いのか、昨日発表のNHK世論調査では「自衛隊の敵地攻撃能力の保有検討」を36%の人が賛成している。不安があるからといって、戦後70年を経て人心はここまで変わってしまったのかと暗然とした気分になる。

 トシヨリはこんな現実に目を瞑ってひたすら仏巡りでもしようと、計画中。17・18日は河内長野の「観心寺」の年に一度のご開帳である。観心寺如意輪観音像は妖艶なるお姿で一度拝観したいとかねがね思っていた。隣の町の藤井寺の「道明寺」と「葛井寺」もやはり18日がご開帳日で一緒にお参り出来そう。道明寺は十一面観音、葛井寺は千手観音でどちらも国宝である。葛井寺の千手観音さまは一度奈良博で拝観したことがあるが本当に千手を持った美しい観音さまで家人にも一度見せてやりたい。

 今日の朝日新聞に谷川さんが大岡さんを追悼する詩を寄せている。いい詩である。特に第二連がいい。朝露と腐葉土に包まれで眠るのも悪くないなあとふと思ったが、我が家の墓石の下は腐葉土ではないか。




     永き日やけふは新聞休刊日





芝桜