春の塵

「ジニのパズル」 崔 実(チェシル)著
 去年の話題の本である。なかなか面白くて一気に読んだ。感受性の強い思春期の少女の成長物語だが、彼女が北鮮系在日コリアンだということが話を複雑にしている。この国に生まれてこの国の言葉を使いこの国で生きていかざるをえない息苦しさや苛立ちがよく伝わってくる。そして結局、異質なものに不寛容なこの国に馴染めず彼女はこの国を出ていき、新たな出発をする。
 それにしてもチマ・チョゴリの少女に暴力を振るう警官は酷い。「土人」などと言った警官もいたのでこれは現実なのかとも思うのだが創作ならあまりにステレオタイプではないか。このことを含めて、この国の人間であることを離れて鑑賞は出来なかった。

 「南スーダン」からの撤収が決まった。詭弁の続かぬことがわかったからであろうが、いずれにしても良かった。実際の撤収までまだ二ヶ月もあるがこのまま恙無く終了するのを願いたい。

 やっと家族の予定が揃って明日・明後日と出かけます。





     碁敵を亡くせし碁盤春の塵




ジニのパズル

ジニのパズル

花ニラ