蕗の薹

 昨日、鶯の初音を聞く。「ケッキョ、ケッキョ・・・ホー」と何ともおぼつかない。半日囀って今朝も啼いているが、これでは嫁取りは時期尚早という感じ。
 庭に蕗の薹もいくつか顔を出した。ころころと可愛らしく掲載句を思いついたのだが、誰かの句の焼き直しのような気がしてあっちこっちを調べ、吉屋信子さんの「姉妹性異なれば香水も」を発見。いいと思ったものは何度も読み返すうちに自家薬籠中の物になってしまうことはよくあり。昔、新聞の投稿欄に当方の発表句と季語が違うだけの句を見つけ、はしたなくも新聞社に電話。「俳句の場合は一文字でも違えば別作品とみなします」と言われて、俳句では季語と季語以外の取り合わせが眼目なんだと納得した次第。しかし今回はここだけのことで許していただくとして、剽窃が疑われるような危うきには近寄らぬが一番でしょう。この句は孫兄弟のころころ時代を思い出して自分としてはちょっと捨てがたいので。





     兄弟(あにおとと)性(しよう)それぞれや蕗の薹