春一番

 
大量のみかんを食べ尽くしたヒヨドリたちは、隣の金柑にも目を付け相変わらず騒がしい。今年は小粒の金柑しかないがこれが食べ尽くされるまでは終わりそうにない。
 三日ばかりかけてロングベストを縫った。表地は父の羽織、裏地は多分母の銘仙の着物。どちらも解いて洗ったら相当に古びた匂いがして、こんなものが何とかなるのかと思ったがともかく作り直した。きちんと洋裁を習ったわけではないので裏付きとなるとわからぬところが多い。ネットで検索しつつ(今はここが便利ですね)縫い進めたが、スリットの作り方がいまいちわからずスリットは省略。細部は気に入らぬところもあるが目をつぶることに。相当地味だが明るいTシャツに羽織れば体型隠しにはなるかと納得。
 こんなことをしてるからか母の夢をみた。もたもたしていて母に世話をやかれていたような。いつも手づくり服を着せられたほど器用な人だったが、手際の悪さをあれこれ言われるのが嫌であまり聞かなかった。「お前がねぇ」と古着のリフォームなどを笑っているのかもしれぬ。

 ブログを始めて今日でまるっと一年。早いものです。拙文にお付き合いいつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。





     ほら吹きになりたや春の一番に  佐藤 鬼房