春の雪

 とうとう雪となる。玄関を開けるとトコトコと立ち去る鳥一羽。このところよく見かける。ツグミのような動きだが色が違う。飛ぶというより跳んで移動。警戒心が少なく、庭の枯葉を掻きだして餌探しに夢中。図鑑から多分「シロハラ」だと思う。図鑑によれば「冬鳥でこの時期は単独で活動する」とある。

 映画「あん」をビデオで観る。一昨年公開の作品である。河瀬直美監督で作品としてカンヌでの受賞歴もあるらしい。出演者も希林さん永瀬正敏さんなど芸達者でこの点での評価も高かった作品とのこと。さて、鑑賞後の感想。映像は美しかったが話の展開としてはどうか。当方は人権啓発に係る仕事をしてきたから官製の啓発ビデオをよく見てきたが、内容的には大差ないように思う。浅田さんが演じた偏見をもつ人物や世間の反応もあまりにも類型的だ。徳江さんが亡くなり、いろいろ追い詰められた店長がどう生き抜くか、その後の展開を期待したのだがあの結末は物足りなかった。エンディングの音楽が鳴り出したのに、何かまだ続きがあるのではないかと思ってしまったほどだ。多くの人が好評価を与えるのに勝手なことを言うのは気が引けるのだが・・・。





     麗しき仮名書きの文(ふみ)春の雪






              木瓜の初花に雪