村芝居

「新釈 遠野物語」 井上ひさし

 その前読んだ「東北ルネッサンス」の中で赤坂さんがこの本に触れて、柳田さんの「遠野物語」とくらべて「語りということを非常に意識されていた」などと書いておられたので、てっきり東北弁の語り本と勘違いしていた。まあ東北弁ではないが、もちろん「語り」である。山腹の洞穴に暮らす犬伏老人が、療養所で働く私の昼休みを使って聞かせてくれた話の数々。山男やら河童、狐憑き、鰻、馬いずれも人間に姿を変えたり、人間と交わったり奇っ怪な話ばかり。最後には思わぬ結末も用意されている。

 井上さん自身、先の本で「遠野物語」には「諧謔味」がないのが不満で、「新釈遠野物語」には諧謔味を加えてみたとおっしゃている。諧謔性+エロスも加わって、これは井上さん創作の大人の東北炉話ともいうものかしらん。面白く読ませていただきました。

 

 

 

 

     白塗りのお軽の毛脛村芝居

 

 

 

 

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

 

 

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 ブロッコリーの苗の今朝のお化粧。小さなイヤリングをいっぱい付けていました。