登高

あしながおじさん」 ウェブスター著

 何で今さらこの本?ということだが、この前読んだ佐野洋子さんの本のせいだ。佐野さんが何十年ぶりかに読んで、泣けた泣けたと書いていたのでこちらも懐かしくなった。「赤毛のアン」も「若草物語」も書棚の奥で埃にまみれているはずだが、この本の記憶はなくて図書館で借りる。新訳である。大まかなあらすじはわかっているのだが、それでも面白くて楽しくて一挙に読みあげた。佐野さんのように感涙がむせぶほどではなかったがいくつになってもこういうシンデレラストーリーは女ごころをくすぐる。機知に富んだジュディも魅力的だが彼女の魅力にとらわれてあたふたするジャーヴィーぼっちゃん(あしながおじさん)も可愛らしい。トシヨリには遥かに忘れてしまったワクワクドキドキする青春の心模様だ。この本の感想の末尾で、佐野さんは「私も長ながと生きてきてしまった。」と書いていたけれど、全く同感。

 

 今日は「重陽節句」。江戸時代なら大名たちが正装で登城して、将軍様に拝謁した日である。登高の故事にならって信長気分で駄句を。

 

 

 

 

     登高や濃尾一円たなごころ

 

 

 

 

あしながおじさん (光文社古典新訳文庫)

あしながおじさん (光文社古典新訳文庫)