クリスマス

「俳句世がたり」 小沢 信男著
 出たてほやほやの一冊。Tが買ってきて先に回してくれる。みすず書房の小雑誌に月々掲載されたものの七年分らしい。話題は古今東西縦横無尽、老大人らしい軽妙な語り口。懐かしい昔話もあるが大半は相も変わらず奢る権力への怒り。書き始めて丸一年目に東日本大震災がおこり福島原発の人災。以来自棄ぎみの舌鋒益々鋭しの感。一篇ごとのまくらや結びの俳句が、ぴったり。いや俳句だけではない。川柳もあればいろはかるたに雑俳もある。 一九二七年 昭和二年生まれ。わが姉上と同年。まるごと昭和を生き、さらに平成を見続ける人の貴重な証言集。面白く興味深く味わい深く共感しつつ拝読しました。




    へろへろとワンタンすするクリスマス   秋元 不死男 



俳句世がたり (岩波新書)

俳句世がたり (岩波新書)