師走入り。仕事のあった去年までは何かと忙しい12月であったが、時間たっぷりの今年は何ということはないはず。でも、気分的に忙しない思いがするのは長年の習性かもしれない。
関川夏央さんの「汽車旅放浪記」もう少しで読了。関川さんらしい郷愁を帯びた鉄道旅の話。鉄道と文学、鉄道と歴史、近代化とともに延伸してきた鉄道だけにどの路線にも近代を生きた人々の深い物語が伴う。彼の語る「高度成長の激浪に砕けて消えた近代日本の遠い面影」についてのくだりでは、思わず涙腺が緩んだ。そして今は忘れられたいくつかのトンネルの姿をネットで調べた。
それにしても関川さんの文章はいい。読み終えたあと胸にしみじみとしたものが残る。
枯菊焚く髪に匂ひのうつるまで
- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/29
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (17件) を見る