深秋

 柿の葉の落葉が始まる。少しの風に掃いても掃いても落ちてくるので、しばらくは落ちるのに任せることにした。いくつも成ってないのに鴉が早速やってきて、人間様が食べ頃を知るという始末。

 フリージャの球根をそろそろプランターに入れようとしたら、保存しておいた球根が見当たらない。H殿に聞いても「一切触ってない」と断言。なぜ消えたのか検討もつかぬ。畑を回ってみたら、ちゃんと芽生えているではないか。「畑に入れちゃったんだ」と言ったら「アイリスだろ」と言う。「それがフリージャならアイリスはどこへいったんだ」と今度はあっちが悩んでいる。「失せ物」しょっちゅうはお互い様。声高に非難はいたしません。

 トシヨリになって秋の夜長が絶えられない。あまりに早く就寝すると夜中に何度も目覚めるのも辛い。夕飯の一杯でいい気分になってから読書などはどだい無理なのだから、編み物を始めることにした。まずはルームシューズ制作中。



     深秋の机上に届く日差しかな