蕎麦の花

 「飛鳥」 和田 萃著
 H殿が飛鳥に行きたいと言う。かっては「飛鳥古京を守る会」にも参加、何度も出かけた飛鳥だが熱の覚めたこの何年かは訪問していない。「彼岸花の綺麗なときが一番」となり、再度飛鳥についての学習となった。
 飛鳥が栄えたのは七世紀、聖徳太子の執政も大化の改新壬申の乱も初期国家体制の整備も仏教伝来も万葉集もみんなこの時代。大和盆地の奥まった狭い地域がすべての舞台だったなんて不思議な感じ。なぜ飛鳥の地だったのか、筆者はそれから説明する。渡来系の人々の開拓と彼らを重用した蘇我氏蘇我氏外戚とする天皇家。いまさらながら古代の渡来系の人々の力を思う。
 飛鳥の謎の石造物についても一章を割き、謎解きを試みている。最近の発掘が謎解明の助けになったのもあり、その発掘結果を見るのも楽しみ。

 今朝は法師蝉しきり。




    空広く蕎麦を咲かせて開拓碑





飛鳥-歴史と風土を歩く (岩波新書)

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