「神社の起源と古代朝鮮」 岡谷 公二著
もう少し知りたいと、また神様について。
本書は、我が国の神様の多くが渡来系の人々の神様を起源にしているのではないかと述べたもの。身近な八幡様やお稲荷様が渡来系であることは知っていたが、それ以外にも多くの神様に渡来人の痕跡はあると言うのだ。ここでいう渡来人とは弥生時代以降朝鮮半島の新羅ー伽耶から渡ってきた人々を指すが、なぜ彼らは渡来してきたのか。それは銅や鉄などの鉱石を求めてのこと。金属加工の先進地から未開地へ。北九州や出雲・越など日本海側から大和・近江・但馬など内陸部へ。地名や伝承・神社に残る痕跡の数々。最終的に筆者は、スサノオやオオクニヌシやタケミナカタも渡来系ではないかと結論づける。むろんこの説には異論もあるに違いない。
しかし、国家という縛りがなかった頃、大陸から多くの人々が渡ってきたのは事実である。日本の文化の底にそうした人々の文化が含まれていても不思議ではない。
ちなみにうちの町内の神様は諏訪大明神(タケミナカタ)と御子守様(蛭子ーひるこの神)。
来し方を斯くもてらてら蛞蝓 阿波野 青畝
- 作者: 岡谷公二
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2013/11/19
- メディア: 新書
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