明易し

 公務の関係で平等院住職神居文彰師の講演を聞く。随分お若い方で驚く。お話によればすでに十歳の時に僧職に就く決意をされたとか、並のお人ではないのだろう。お話は抽象的かつ象徴的な表現が多くて凡人にはよく理解出来ないところもあった。凡人なりにまとめれば「連綿と続く命の果てに図らずもある私という命の出会いを大切に」というようなところではないかしらん。わかったところは落日の美しさに浄土を見た古人の心(日想観)浄土を具現したものとしての平等院、九世紀からある浄土に往生するための看取りのシステムなどの話。
 鮮やかに蘇ってからはまだ参詣していないが再訪したいものだ。


     明け易くむらさきなせる戸の隙間   川崎 展宏