春落葉

 「気仙沼ニッティング物語」御手洗瑞子著
 震災後、気仙沼に何か役立ちたいと、会社を立ち上げることを思いついたのは糸井重里さんであった。ぞのコンセプトが手作りの編み物となったいきさつについては「ほぼ日」に詳しい。この本は、その糸井さんから頼まれ、社長となって「気仙沼ニッティング」を軌道にのせた御手洗さんの会社作りの話である。安価な大量生産の対極の少数・手作り・高価にこだわり、一年目で黒字を出した。気仙沼への愛情表現としてさらりと語り、苦労話には触れていないが並大抵ではない意欲・尽力・協力であったに違いない。「プーマ」や「アディダス」がドイツの片田舎から出発したように、気仙沼から高品質の手作りニット製品を世界に向けて売り出していこうというその心意気や良し。震災関連物語を凌駕したでっかい夢物語である。
 
 十日ぶりにプールに行った。金華山がすっかり新緑に衣替え。道路沿いのアカメガシワの真っ赤な生け垣が陽に映えて眩しい。すでに初夏だ。


     大うろの楠の神木春落葉


気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社

気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社