桃の花

 ひとつの区切りをきっかけにと「断捨理」実施中。長年気になっていた布団の類を始末する。思い切っても半分ほど。もう使わないかもしれないと思ってもなかなか捨てきれない。空っぽになった家具を今度は始末しなくては。
 津島祐子さんの「光の領分」を読む。二月に亡くなった時、彼女を悼んで柄谷行人氏が「日本では知られていないが、津島祐子はノーベル文学賞の有力な候補者であった。」と書いていた。一冊も読んでないことに気付いて読んだのがこの本。帰って来なくなった夫を見限って、子供を連れて自立しようとする女性。逡巡する不安な気持ちや行動が、いくつかの夢を挟んで語られる。最終的には春の光の中で彼女は再出発を果たすのだが。
 重苦しい読後感であった。たまたま長時間動きがかなわないという行動制約があり、読了できたというところかもしれない。


     桃の花石積むだけの道祖神


桃の花