弥生尽

 新暦の弥生尽。なんとなくもの寂しさが付き纏う。明日から新しい暮らしが始まる人のいる一方、今日でリタイアする人もいる。
 我が家も今日で何年かのささやかな自営の歴史を終えた。そのせいか今年は他人の動向が気になる。身近では1月中旬に店を閉じた肉屋さん、仕事場近くの新聞販売店さん、夫の行きつけの床屋さん、掃除モップの配達屋さん、テレビの顔では国谷さん古舘さん、お天気の渡辺さん、新聞の論壇評の源一郎さん。慣れ親しんだ顔だけに戸惑いがある。みんなそれぞれに新しい暮らしに幸多かれと、願わずにはいられない。


     労つて湧き立つ拍手弥生尽