雨蛙

『これで古典がよくわかる』 橋本 治著 どういうわけだか昨夜は眠気がなかなか訪れなくて、夜半すぎまでかかってこの本を読了してしまった。橋本さんの言葉によれば、古典に嫌気がさしているにちがいない受験生が対象ということで、誠にわかりやすい。いいお…

新茶

友達のIさんから久しぶりに連絡があった。今年も新茶ができたというのである。実はIさんのご主人は体調を崩されて1月以来入院。今年のお茶はとてもでないだろうと半ば諦めていた。それが例年よりは少ないができたというのである。何でも病室からご主人がお…

聖五月

降りそうで降らない。先週は珍しく体調を崩し発熱。ウオーキングもしなかったが少し気力も戻ってきたので曇天を幸いに歩く。用水の水はたばしっているがまだ田には入っていない。この辺りはいつも遅いのだ。 庭の花十指に余り聖五月 今日出会った子。野良の…

明易し

鵙の雛たちがいなくなってから庭が静かで寂しい。巣立ちをしてからちょうど二週間だったなあとぼんやり思いながら草を抜いていたら、目の前の柿の枝にぴゅーと一羽の鵙。「おや、鵙くん」と思ったらもう一羽ぴゅーと。尾羽の短い子鵙である。まるで「こんな…

山藤

『三つ編み』 レティシア・コロンバニ著 斉藤可津子訳 国も境遇も全く違う三人の女性の話を「三つ編み」のようにあざなった物語。キイワードは髪と自立。歯切れのよい畳み掛けるような文体と素早い展開で一気に読ませる。帯によればフランスで85万部突破3…

薔薇

『百人一首がよくわかる』 橋本 治著 いつも拝見しているブログで新潮社「Webでも考える人」というサイトを教えていただき、そこで津野梅太郎さんの橋本治さん追悼文を読んだ。津野さんは内田樹さんの言葉を引いて そのつど「説得でも教化でも啓蒙でもない」…

はつ夏

鵙の雛は元気だ。午前中、ぱたりと声がしなくなったのでとうとう独り立ちをしたのかとちょっと寂しく感じたのだが、お隣の庭にいたようだ。午後はまた我が家の木で餌をねだっていたが、突然方向も考えずに飛んで雨戸に衝突するハプニングも。脳しんとうでも…

柿若葉

鵙の雛たちが巣立ちして八日目、過眼線も目立ってきてこんなに大きくなった。三羽とも元気であちらこちらと枝移りも軽やかだ。まだ親鳥に餌をねだっているが時々地上にも飛び降りたりしてるから餌取りのまねごとかもしれない。この間親鳥は本当に一所懸命に…

椎の花

『モンテレッジオ小さな村の旅する本屋の物語』 内田 洋子著 きっかけは「ヴェネツィアの水先案内人であり知恵袋である」老舗の古本屋の始まりが、山岳地帯の辺鄙な土地モンテレッジオ出身の本の行商人と知ったことだ。「本の行商人とは」彼女の興味はそこか…

夏来る

十連休も終わった。毎日が日曜日の我が家には関係ないと思っていたが、後半は娘一家の訪問やら今日の「落語会」など非日常的なお楽しみもいくつか。 今日の落語会はたまたま新聞販売店の案内で申し込んだもので「東西落語名人会」と名打った企画である。桂文…

巣立ち

朝からカチカチと鵙が大鳴きしっぱなしだと思ったら雛が巣立ちをしたようだ。だから親がしきりに警戒をしているらしい。親の鳴き声の合間に「ジャジャ」と雛らしい声がするので目を凝らしていて南天の間に一匹見つけた。見ているとしきりに餌を運んでくる。…

鵙の巣

「爺さんと鵙」のお話は前にも触れたことがあると思う。H殿が野良仕事を始めると決まってやってくる鵙がいるという話である。すぐそばて掘り起こされる虫を待っているのだと思うが、だんだん慣れてきてほんとうにすぐそばに付いているので、我が家ではかって…

春逝く

『山海記』 佐伯 一麦著 大和八木から和歌山の新宮まで日本一長い路線バスのことは本で読んだり映像で見たりしたことがある。筆者とおぼしき彼は東北大震災の後、同じ年に大水害にあった紀伊半島を訪ねるべくこのバスに乗った。小雪も舞う狭隘な山道をバスに…

れんげ

連休中といっても毎日が日曜日の我が家は何も変わらず。やや肌寒いので外仕事もあまりする気なく午後は読書と散歩。 このところ読み継いでいるのは佐伯一麦さんの『山海記』。お名前をかずみと読むのだと初めて知った。因みに題名も「せんがいき」である。な…

行く春

『アイヌ歳時記』 萱野 茂著 再びこの本について。読みながらアイヌの人と縄文人の関係に思いを馳せる。同じように狩猟採集民でありアミニズムの人々であり、かっての東北地方では隣り合って暮らした人々であっただろう。最近の遺伝子調査では「アイヌ人は現…

牡丹

久しぶりの雨なのだが牡丹にとってはあいにくの雨。朱紫が六花、薄紅が一花咲いて雨に打たれてすっかりしおたれている。今日咲いた薄紅はさすがに哀れで切ってきたが、朱紫はこれでお終いだろう。 終日の降りなので縫い物をして過ごした。昔、姉が買い溜めて…

春霞

『アイヌ歳時記』 二風谷のくらしと心 萱野茂著 どういうわけだかこんなことは滅多にないのに昨夜はとんと寝つけなかった。蒲団の中でもんもんとして夜半を過ぎ、とうとう起き出してこの本を読み始めた。 ちょうど昨日の新聞に「アイヌ新法 成立」とあったか…

春深し

『カササギ殺人事件 上』 アンソニ・ホロヴィッツ著 山田 蘭訳 新聞の読書欄で知って図書館から借りた。上と下の二巻なのでとりあえず上巻を予約して借りたのだが読み終わっても下巻がすぐに読めないところが残念。まだ予約者五人待ちである。事件が起きて取…

たんぽぽ

『AIvs.教科書が読めない子どもたち』 新井 紀子著 「シンギュラリティー」という言葉を初めて知った。「人工知能(AI)が人間を超えるまで技術が進むタイミング」をいうそうだ。まず著者は「シンギュラリティーは到来しません。」所詮AIは意味がわかって…

春の蝶

いつもの散歩道、川沿いにオレンジ色のポピーに似た花が咲き群れている。去年は一・二本だったのに増えている。かわいい花だと思っていたらとんでもない危険な外来植物だと知って、見るたびに不安になる。たぶんかわいいからだろうが、昨日は畑一面に咲かせ…

花筵

半日程度庭仕事。木蓮の花屑の片付けからシャコバサボテンの植え替えと草引き。ガスの検針の方に「つぎつぎきれいに咲きますねぇ。でもお世話が大変そう。」と同情される。全くお世話は大変だ。アマリリスの植え付けもしたかったのだが、これは結局夕方H殿が…

『ラニーニャ』 伊藤 比呂美著 この本の中の「ハウス・プラント」と表題にもなっている「ラニーニャ」を読む。どちらも彼女の初期の作品らしい。いつものように彼女自身の暮らしを投影した作品で、前者は最初のご亭主と別れて渡米した頃、後者はそのもう少し…

春の潮

三日目 徳島市内散歩 前前日は温泉宿に泊まったが二日目は駅前のビジネスホテル泊。朝食後近くの徳島中央公園を散策する。ここは蜂須賀家の城跡で博物館もあるようだが開館までには時間があり、ぐるりと散歩をするだけにする。後は街並みを拝見。公費も使わ…

遍路

二日目 鳴門大橋を渡って徳島県へ 大塚国際美術館 ここはすでに行かれた人も多いと思うが、我が家は初めてだ。大塚グループの造った偽物大規模美術館である。偽物といっても本物の写真撮影を陶板に焼き付けたもので筆使いも傷みも全くほんものそのものなのだ…

山笑ふ

淡路・徳島への旅 一日目 「淡路島へ行く」言ったら友人に「玉ねぎでも買いに?」と聞かれたのだが確かに今は最盛期らしい。「10キロ1500円」の看板もあり。まさか玉ねぎではないが、どこで何をするというたいしたプランもないまま人形浄瑠璃だけは見よ…

春の野

春休みの一日をさいてY一家が来てくれた。昔から上の孫が来ると雨になる確率が高く、今回もまさかの曇のち雨。花見には生憎である。それでもと昼食の後近くの白山神社に寄る。花見に来る人がいるわけでもない神社だが、山を背後に長い参道があり森厳とした趣…

木蓮

春はお定まりのように風が強いが陽気はすっかり春めいてきた。ミシンを梱包してクロネコさんの集荷所まで持っていき、買い物をして図書館による。図書館周辺の川べりの桜はすでに満開もある。ソメイヨシノはまだなのでおそらく早咲きのものにちがいない。公…

れんげ草

ウオーキングをしていると少しの間に田舎がどんどん変わってきたことに驚かされる。田んぼだった川沿いには新しい家が並び、竹藪は切り開かれて妙に明るく虚しくなってしまった。こんな田舎にも下水道が通りコンビニもドラックストアも出来て便利になった反…

雪柳

『旅の終わりに』 マイケル・ザドゥリアン著 小梨直訳 ジョンとエマは80歳を超えた老夫婦。そのうえジョンは軽い認知症でエマは末期癌を患っている。この二人が周囲の反対を押し切ってというより反対する周囲に内緒で人生最後の旅に出る。行く先はデズニー…

青き踏む

あまりにいい陽気で本を読んでいたのにいつのまにか居眠り。マイケル・ザドゥリアン『旅の終わりに』だ。認知症の夫と末期癌の妻がいにしえのルート66をたどりデトロイトからデズニーランドを目指す話。Tに「なかなか面白いよ」と言ったら「日本にもよくあ…