青き踏む

あまりにいい陽気で本を読んでいたのにいつのまにか居眠り。マイケル・ザドゥリアン『旅の終わりに』だ。認知症の夫と末期癌の妻がいにしえのルート66をたどりデトロイトからデズニーランドを目指す話。Tに「なかなか面白いよ」と言ったら「日本にもよくあ…

たんぽぽ

ニホンタンポポの「ぽぽのあたりが火事」で、苗を植え付けて増やす園児たちの活動をテレビで紹介していた。つまりセイヨウタンポポに押されてニホンタンポポは今や絶滅危惧種だというのだ。たんぽぽのある風景なんて当たり前だと思っていたら大間違いだとい…

囀り

『縄文時代の歴史』 山田 康弘著 縄文人はジャパンオリジナルであると言う。この国の先住民であったことは間違いない。1万4000年ほど長きに渡りユニークな表現物を残した彼らは、一体どうなったか。 縄文人は決して絶滅してしまったわけではなかった。…

青き踏む

ネクタイのリメーク 勤めを辞めてからこの方出番の少なくなったネクタイ。シルクで小洒落た模様のものは何かに出来ないかと思案して小袋やブックカバーにしたりしたが、一番良かったのは「アスコットタイ風のネックウオーマー」である。H殿は冬でもワイシャ…

紅梅

東日本大震災からはや八年である。久しぶりにグーグルマップのストリートビューを使って昔訪ねた小泉海岸辺りを見てみた。道路は綺麗になっているようで何か高架の橋桁のようなものも写ったが、海側は広く水がついた状態は変わっていなかった。決して忘れて…

春の風

『万葉の人びと』 犬養 孝著 昔、姉に誘われて「飛鳥古京を守る会」というグループに参加していたことがある。その会を創られた有志のひとりが犬養先生で、年に二回ほど「万葉旅行」というものがあった。仕事の都合などで二・三回しか参加していないが万葉集…

遅き日

帯状疱疹後遺症とリリカカプセル 相変わらず帯状疱疹の後遺症であるかゆみに悩まされている。同じ神経症でも痛みでないだけましかもしれないが、かゆいのも結構つらい。今は花粉症の目のかゆみもありさんざんである。 一ヶ月ぶりの診察だった今日、症状に変…

鳥の恋

久しぶりにスーパーの棚に花豆を見つけて買う。今回は紫花豆ではなくて白い花豆である。同じ花豆か心配で調べる。 花豆は大きな花を咲かせるから花豆らしい。写真が出ていたが紫花豆は綺麗なオレンジ色の花で白花豆は当然ながら白い花だ。色が違っても花豆に…

桜餅

『いのちの旅』 原田 正純著 筆者は神経精神医学の医師で半世紀近く水俣病の患者に寄り添ってきた方である。この本は新聞に掲載された小編を集めたもので全体として非常に読みやすい。初めは水俣病の話から始まるが、あとは国内から国外まであらゆる汚染現場…

三月

どんどん暖かくなって草取りやら花の植え替えが気になる。花粉で目もしょぼしょぼ鼻もぐずぐずさせながらアッツザクラとサギソウの植え替えをする。この二年ばかり体調が悪くて放りっぱなしにしていたのですっかり数を減らしてしまった。どちらもまた出直し…

春の雨

『死を生きた人びと』 小堀 鴎一郎 筆者は鴎外の孫である。母杏奴さんの著書では快活なユーモアのある青年として出てくる。テレビを見た感想からいえば80歳とはいえユーモアがあり、フットワークも軽く若い日の面影を彷彿とさせる。 さてこの本は定年後に…

うららか

このところいっぺんに二月とは思えぬ暖かさになって有り難い一方で困ったこともある。畑の野菜などは急に花咲モードに入り白菜もキャベツも今にもパンクしそう、ブロッコリーも花が開いてしまいそうだ。せっかく出来たからと昨日は隣やら本家やらに2つ3つ…

初雲雀

このところの暖かさで春が一挙に進んでいる。昨日は初めて雲雀の鳴き声を聞き、今日は初めて紋黄蝶を見た。閉じこもってばかりではとウオーキングも続けているが今日は庭の草引きもした。難解な本よりこの方が合っているかもと思いつつ、前回の続きを。 『陰…

春の川

旧友に習ってウオーキングを始める。もっともまだ体慣らしの程度で大股速歩で15分程度である。始めた昨日は春めいた一日で歩くのには好都合だったが、今日は冷たい風が強い。花粉も飛散してるだろうなと躊躇してしまう。いきなり中止も情けないとマスクに…

春耕

十年ぶりぐらいに旧友と会う。彼女は昔の職場の同僚で私より九歳ほど若いのだが気立てのいい人でよく気が合った。最近はご無沙汰していたのだが年賀状でこちらの罹病を知って連絡をくれた。久しぶりに随分おしゃべりをして私としては二つの教訓を得た。一つ…

春蘭

『柿本人麻呂』 北山 茂夫著 先に読んだ梅原さんの『水底の歌』と同じ年の刊行である。おそらく当時の人麻呂ブームを意識しての出版で、こちらは古代史の学者である。当然ながら正史には記載のない人麻呂であるからその人物像は万葉集の歌をとおしてのものと…

春めく

鳥の本によれば鵯は年中いる「留鳥」なのだが、毎年春先のこの時期は一挙に増える。2・3日前からいやに騒がしいと思っていたが今日などは何十羽というほどの数だ。初めはお隣のモチの木の実を啄んでいたと思ったら今度は家の蜜柑だ。充分ジュースにしたか…

囀り

一週間前のMRIの結果を聞きに行く。病院は今までになく混み合っており待合室の椅子も探さなければないほど。用心にマスクを取り出して掛ける。だれも同じ気持ちらしくみんなマスクをしている。指定時間から一時間も遅れてやっと呼ばれる。 結果はいいと言え…

紙鳶(いかのぼり)

『蘇我氏の古代史』 武光 誠著 蘇我氏にはずっと悪いイメージを持っていた。ものの本には「大化の改新」(今は乙巳の変)として中大兄皇子と中臣鎌足に討たれる入鹿の図があったように思う。天皇(このころはまだ大王であった)をないがしろにして専横を極め…

ぼたん雪

『日本史の内幕』 磯田 道史著 今や売れっ子の磯田さんの本である。全体に歴史小話といったもので何ということはないのだが、読後興味をもってネットで調べてみた件が二つある。 沼津の「高尾山古墳」の話と江戸時代の儒学者「中根東里」の話である。前者は…

春立つ

十二月以来の病院である。今日はMRIの検査ということで出かける。MRIは昨年の四月に一度体験ずみである。痛くも痒くもないがドームに閉じ込められて30分は我慢しなければならない。ガンガンザーザーと大きな音が激しい。ボーッと空想などさせてはくれない…

豆まき

『社をもたない神々』 神崎 宣武著 私の読んでいる本を見てTが買ってきた一冊を先に読ませてもらう。前回のブログで「日本人の宗教的古層はすでに失われたのではないか」と書いたのだが、いやいやどうしてまだまだこんな信仰形態がのこていますよという話だ…

日脚伸ぶ

『あの世」と「この世」のあいだ』 谷川 ゆい著 副題に「たましいのふるさとを探して」とある。「懐かしくて安心できる」そんな安らぎの地を探して各地を訪ね歩いた話である。「安らぎの地」は時には「この世」と「あの世」が隣り合った地だといい、時には自…

大寒

『小岩へ』 島尾 伸三著 著者は島尾敏雄氏とミホさんの長男である。時には投げやりで自虐的とも思える文体からみると、よほどご本人には不本意な執筆らしい。書きたくもない両親のことを書けと言われれば、否が応でも幼年期の不安な気持ちを思い出さずにはい…

春隣

『水底の歌 下巻』 梅原 猛著 前回でも断ったように斜め読みで梅原さんには申し訳がないのだが、それでも実に面白かった。下巻で明らかにされたことを整理すると 1, 正史(続日本紀)に「従四位下柿本佐留卒す」と記載される人物と柿本人麻呂は同じ人物と…

初場所

『水底の歌 上巻』 梅原 猛著 12日、梅原さんが亡くなった。私は哲学者としての梅原さんはよく知らないが、古代学への発言は面白くてその著書も随分興味深く読ませていただいた。『隠された十字架』の聖徳太子鎮魂説や出雲に関する『葬られた王朝』論は文…

山眠る

『雪の階』 奥泉 光著 惹句にミステリーロマンとある。日中戦争開戦前夜を背景に、華族という特権階級に属する女性を主人公にした話である。時代がかった装飾過剰とも思える文体が昭和十年という雰囲気をよくだして歴史ロマンミステリーにふさわしい。「天皇…

寒さ

『句集 源義の日』 角川 春樹著 父恋母恋姉恋友恋の句集である。おそらく半分以上が身近な亡き人を忍ぶ句なっている。表題からして父角川源義氏の忌日を意識してのことであり当然と言えばそうである。 角川春樹氏と言えば山本健吉氏が『現代俳句』で言葉を極…

鴨の陣

『佐野洋子の「なに食ってんだ」』 佐野洋子 オフィスジロチョー編 佐野さんが亡くなってもう九年もたつのだから今さら新刊本は出ないと思うわけだ。ところがである。もちろんこの本は佐野さんの著作のあちこちからの抜き出しだが、懐かしい佐野さんの語り口…

寒の水

昨日はこの冬一番の寒さで日中の気温も四度しか上がらなかった。名古屋市では最高気温が札幌市をしたまわったということでニュースになっていたほどだ。インフルエンザも流行っているというからなるべく出かけたくないのだが医者と図書館と買い物に出かける…