線香花火

「盾」という言葉が気になっている。というのは、一昨日の新聞、「日米2プラス2」を終えた小野寺防衛大臣の発言。 自衛隊の役割拡大に記者団から質問が飛ぶと、小野寺氏は「専守防衛の中で、(日本に託された)『盾』の役割を万全にする中での新たな方向だ…

鯔(ぼら)

「空席日誌」 蜂飼 耳著 変わったペンネームだ。以前、Tにこの著者の別の本を薦められた時、「男性なの?女性なの?」と聞いた気がする。今回もやっぱり同じことを聞いて「そうだ女性だった」と思い出した。多才な人である。紹介を読むと、詩人としての活動…

稲の花

「さい果て」 津村 節子著 この筆者の作品は、「紅梅」や「夫婦の散歩道」など吉村氏没後の思い出を書いたものしか読んだことがない。が、たまたまTが古本屋で仕入れてきた山積み本の中の一冊という縁で手に取る。「さい果て」とひとくくりになっている五編…

秋黴雨

庭の一本の柿の木が倒れた。先日蝉といっしょの写真をあげた木である。大往生といっていい、百年近い経年木である。何となくこのところ葉が萎れているように思っていた。たまたま見ていた娘婿の話では、雨の中、静かにふわりと倒れていったらしい。この夏の…

敗戦忌

72回めの敗戦記念日。テレビの黙祷の時間に合わせて黙祷。まさか北朝鮮と米国との狭間でこんな敗戦記念日を迎えるとは思わなかった。米大統領は同盟国の安全を全力で守ると宣言していたが、何か勘違いをしているのではないか。日本は北朝鮮に攻撃されるい…

盆支度

久しぶりにからりと晴れる。日差しは強いが風があり過ごしやすい。今朝は外の風のほうがよくて、珍しく冷房を切った。鵙の初鳴きを聞く。去年は19日だったので、更に早い。いかにも早いのだが、夫も一緒に聞いたのでまちがいはない。 昨日は盆支度。我が家…

法師蝉

「津軽」 太宰 治著 「こころ旅」で津軽半島を映していて、この本が話題になった。Tがいい本だと言い、部分的に覚えているような気もしたが、読み返すことに。 太宰自身の手による故郷探訪である。昭和19年の話らしいが戦争臭はほとんどない。太宰らしくな…

長崎忌

台風が去って、青田を渡ってくる風には少しだけ秋の気配。日向はむろん猛暑日を記録する暑さだが、日陰の風は冷房より心地よい。おかげで珍しく長時間の昼寝。そうそう、畑にトンボが群れだした。 先週の新聞に「鹿島茂さんが新聞や雑誌などに公表された書評…

今朝の秋

二十四節気の「立秋」。秋の気配がほの見える頃というが、あいにくの天候。風はあっても不穏な先行きを感じさせ、時折ザーとくる雨で蒸し暑い。 閉じこもって本でも読むしかなしと、図書館で借りた宮部みゆき。短編が四編入った単行本。内二編を読む。この作…

原爆忌

NHKで「八月六日が広島への原爆投下日と知らない人が70%ある」と言っていた。一方で、広島の高校生が被爆者の話を聞き、悲惨な状況を絵画に残すことをしているとも伝えていた。我々のようなトシヨリでも戦争体験は人づてなのだから、風化は仕方がないこと…

夏の雲

昨日、美容院で「11日(山の日・祝日)で休みます」の張り紙をみつけて、自分のうかつさに初めて気づく。「山の日なんて、いつからできたの」とスッタフに聞くと「去年からですよ。お盆に長期休みを取らせようという政府の魂胆でしょ。12日は御巣鷹の日…

三尺寝

「沖縄の歴史と文化」 外間 守善著 昨日の朝刊に「列島の南北を結ぶ縄文土器」とあって、沖縄北谷町での出土品が亀ケ岡土器の破片であったと紹介されていた。亀ケ岡といえば東北も最北端で、最北端と最南端がすでに先史時代から結びつきがあったというのがと…

甚平

「バッタを倒しにアフリカへ」 前野 ウルド 浩太郎著 Tがすごく面白かったというので、回してもらう。その評価に違わず、面白く一気に読んだ。 前野さんは昆虫学者である。博士号を取ったものの、好きな昆虫の研究をしながらどう生活を成り立たせていくか悩…

水を打つ

「古代蝦夷の英雄時代」 工藤 雅樹著 「蝦夷」とは何か。時代によってエミシ・エビスの概念は変わるが、要は「大和朝廷の支配の外にあった人々である」。初期には関東以北の人々を指すときもあったが大和朝廷の勢力の拡大とともに同化が進んで、奈良時代後半…

道をしえ

梅雨に戻ったような天気で、気も晴れぬ。各地の豪雨による災害を知ればますます気は重くなる。加えて国会での集中審議。少しだけ見ていたのだが、嘘やごまかしをせざるを得ない顔というものは見ているだけで情けなくなる。能面のような白塗り顔はともかく、…

蝉時雨

「芸人と俳人」 又吉直樹×堀本裕樹著 俳句は全くの素人だという又吉さんを相手に俳人の堀本さんが手取り足取り解説する俳句の入門書。特別に目新しいことはないが、そこは多彩な又吉さん相手。反応がユニークだ。又吉さんは相当自意識の強い人だなあと思う。…

夏の雲

今日から「夏休み」。朝からラジオ体操に出かける子どもたちの声が賑やか。熊蝉の共演も実に喧しい。畑の夏野菜はもりもりと茂り、最盛期。昨日の朝、胡瓜を五本収穫したと思ったら夕方には二本、さらに今朝は四本の獲り頃。だんだん配るところもなくなって…

白シャツ

ぼんやりこの地方のニュースを見ていたら、高山市を訪れる外国人観光客が増えて、今や「特急」の三割は外国人だという。高山も随分有名になったものだと驚く。 当方が初めて訪れたのは大学時代のサークルの合宿でだった。山沿いのお寺の本堂を借りての合宿で…

滴り(したたり)

「崩れ」 幸田 文著 この頃の異常気象による山崩れや酷い時には山体崩壊などという事象を見ていて、幸田さんの「崩れ」を読み直したいと思った。幸田さんはこの作品の取材時が72歳、まさに同年齢だというのも再読を促したきっかけかもしれぬ。案の定、昔な…

浴衣

夕餉の支度をしながら名古屋場所の中継を見るともなく見ていた。相撲観戦にも「浴衣デー」なんかがあるのかしらんと思うほど浴衣で観戦の人が多い。今日は力士の人たちの浴衣も紹介していて、これもなかなか華やか。なんでも幕内になると独自な浴衣をこしら…

梅雨出水

「日本文化の形成」 宮本 常一著 図書館の歴史コーナーに隠れるようにあった一冊。宮本さんの遺作だという。大雑把に要約すれば、長い縄文文化の上に稲作とともに弥生式文化が入りさらに古墳文化ともいうべき大陸の文化が流入して、大量の渡来人をも受け入れ…

日傘

「はてなダイアリー」のサービスが変更されるということで、ブログの移動を検討している。近日中に行いたいと思うのでその節はよろしくお願いします。前の画面が気にいっているのでとても残念だがしかたがない。 夏野菜の収穫の最盛期。今年はうまくいってト…

日の盛り

「火花」 又吉 直樹著 重版に重版を繰り返した話題作である。今さら何かを語るまでもあるまい。舞台はお笑い芸人の世界だが誰もが思い当たるような青春の友情・挫折物語だ。又吉さんを彷彿とさせる語り手の徳永は、はからずも青春期を離陸した。仮に又吉さん…

星祭

二十四節気「小暑」。いよいよ暑くなる頃の謂か。 今日は「七夕」。新暦と旧暦と月遅れとあるが、最近は新暦の行事にすることが多いようだ。毎年、梅雨の最中で星空は思うべくもないが当地は今夜は晴れそう。最も、灯りがきつくて星空は見られないが。子ども…

サングラス

「茨木のり子の献立帖」・「茨木のり子の家」 この二冊ですっかり彼女の私生活に詳しくなってしまった。二冊とも写真集と短文である。前者には家庭人として家計のやりくりや料理に勤しむ彼女の献立表と日記。頻繁に表れるYという同伴者のことも含めて、若き…

七月

「はつ恋」 ツルゲーネフ著 こんな古い本を出してきたのも、近頃は読みたいものがなかなか見つけられないから。図書館の書棚を見回しても小説家も俳人も歴史家も目に付くのは故人ばかり。好きだった人は大方鬼籍に入ってしまわれたのは、こちらも歳をとった…

梅雨

「蒲生邸事件」 宮部 みゆき著 面白かったと人にも薦めてきたのが、この人の「火車」。「理由」と「模倣犯」も読んだがSF風仕立てのこの本にはなんとなく触手が動かなかった。以前読んだ本で、関川さんと鶴見さんが高評価されていたので読んでみようと思った…

梔子(くちなし)

「北政所」 津田 三郎著 基本的にフィクションよりこういう歴史ものが好きだとつくづく思う。副題に「秀吉歿後の波瀾の半生」とある。慶長三年秀吉が63歳で死んだ時、北政所は51歳。寛永元年77歳で亡くなるまでの26年間、豊国神社の別当「梵舜」の日…

ブログを書き始めた時、ゆさゆさと揺れ。揺れの時間が案外長くて部屋の本棚をまじまじと眺める。揺れの大きかったのは御嶽山の麓の王滝村あたりらしい。我が家あたりは震度2か3か。 この三日は「梅雨の晴れ間」で本格的梅雨前の仕事をいろいろ。大物洗濯か…

おはぐろ

今日6月22日は、当市の「平和の日」。72年前大規模な空襲を受けた日である。今でも基地の町だが、かっては陸軍の飛行場とそれに隣接して軍需工場があった。米軍はそれを狙って空爆をしたわけで、工場の従業員や動員学徒169名が犠牲になったという。…

夏至

「言の葉さやげ」 茨木のり子著 言葉について書かれた一冊。不覚にも今まで「茨木のり子」という人がこれ程の人とは知らなかった。凛とした姿勢に貫かれた、鋭利な刃物のような一冊。私たちは「ありあわせの、間にあわせの、思考と言語で話しすぎる。自分の…

南風(みなみ)

梅雨らしくない日々。夏野菜は雨の病害は少ないが土は涸れ涸れで植え付けできないものも幾らか。 整理を兼ねて端切れでごろ寝クッションを作る。性格なのだがこつこつと時間をかけるというのは、苦手。いつも直ぐに結果が気になる。編み物でも早く編み上げた…

夏燕

「天災から日本史を読みなおす」 磯田 道史著 読ませられるものがあって、一気に読んだ。副題に「先人に学ぶ防災」とあり、歴史上の災害記録の解読を通して防災意識を育もうという内容。朝日新聞のbeに連載されたものに加筆して書籍化したものとあるが、まと…

夕焼け

図書館から予約本の「受け取り可」のメールが入る。本の著者は茨木のり子。詩集をTが持っているというので借りて読む。知っているのもあれば知らないのも。知らないほうが圧倒的に多い。力強いはきはきとした修辞。小気味のいい読後感。こんな調子で昨夜の愚…

くちなし

「雑兵たちの戦場」 藤木 久志著 毎日のようにメディアの伝える戦争の世界。ことに中東やアフリカの人々が戦禍に翻弄される有様。難民となり劣悪な環境でやせ衰えた子供たちの虚ろなまなこ。対岸の火事をみるようなわれわれ日本人大衆にとって、それは決して…

新樹

「土を喰う日々」 水上 勉著 例のつばた夫妻が愛読書と書かれていたのに惹かれて読むことに。「わが精進十二ヶ月」の副題のとおり一年にわたる精進料理の紹介。それも水上さん自身の手料理と美味そうな写真付き。氏は九歳の頃から禅寺に小僧として入られ、手…

枇杷熟るる

うちの枇杷でコンポートを作る。鳥が落とした種から芽生えた野生の枇杷である。以前これを見た従兄弟が「こんなんじゃあかん。接ぎ木をしてやらんと大きな実はできん。」と言ったが、実は市販のものの三分の一ほどの大きさ。種ばかりが目だつ。接ぎ木もせず…

紫陽花

「先生! どうやって死んだらいいですか?」 山折哲雄 伊藤比呂美著 表題倒れである。それほど過激なことは何も書かれてない。「性・老・病・死」について一般人からの質問を前提に、お二人があれこれ話し合ったり山折先生が答えたりという内容。「生」が「…

銭亀

昨日、「芒種」。「麦を収め稲を植う」と暦にあり。麦こぎをする母の傍らで麦わらで蛍籠を作ったりしたのは今頃だったかと、ふと思い出す。 いつも走る長良川河畔道路に「オオキンケイギク」が目立つようになった。外来植物である。うちの市では木曽川の河川…

ビール

Iさんに体力回復と美容にいいと教えられた「甘酒」を作ってみる。材料は米と糀で、糀ははスーパーで手に入った。道具の料理用温度計はドラックストアで購入。保温用には古い「保温ジャー」を出してきた。捨てきれずに物置にあったのがこんなところで活用でき…

雨蛙

「大腸内視鏡検査・ポリテクトミー」というのを受ける。生来元気な方で大きな病気もしたことがなかったのだが、歳のせいか不調なところが出てきて、上記の検査を受けるように勧められた。大学病院などに行くのも初めてのことで、あっちやこっちと指示される…

緑陰

昨日は何度も出かけることがあったのだが、車の温度計が34度を示していたのには驚いた。我が家の畑も豆類はすっかり終わって胡瓜の初収穫。茄子ももう採れそうだ。自家製野菜を献立の中心にすると採れ時にはそればかりの献立ということになる。このところ…

明易し

「火山で読み解く古事記の謎」 蒲池 明弘著 時々コメントをくださるこはるさんがブログで紹介されていた本である。書名のおもしろさに惹かれて読み始めた。古事記というこの国の創世物語に火山のイメージを重ねた話である。例えばスサノオやイザナミは火山の…

かたつむり

「長い時間をかけた人間の経験」 林 京子著 晩年の作品である。被爆の死神にようやく「走り勝った」と思った筆者は、いつのまにか目の前に迫った老醜のもうひとつの死に気づく。二つの死に向き合いながら、連絡を絶った病床の友を思い札所巡りを始める。炎昼…

走り梅雨

二日続きの雨模様。あまりにも乾いでいたので作物には恵みの雨だと思ったが二日も続くと気分は重い。 梁の古時計が重い時鐘を鳴らす。少しの間音無しだったのに、何故かこのところまた鳴り始めた。一時間ごとに時間の数だけと三十分には一回のボンボン。もう…

鴨足草(ゆきのした)

「風山房風呂焚き唄」 山田 風太郎著 図書館新刊コーナーで借りる。著者については「人間臨終図巻」を関川さんが取り上げておられたから気にはなっていたが読んだことはなし。忍法帖ばかりがイメージとしてある。これは旅・食・読書などの未刊行エッセイ集。…

昨日は二十四節気「小満」。「陽気盛ん、万物ほぼ満足す」の頃の謂だが突然の二日続きの真夏日とからからの陽気で、万物はやや疲れ気味。 この二日で夏用バックを作る。いつもと同じ古帯が素材なのでパターンもいつもと同じ。内ポッケトなどは使いやすいよう…

アマリリス

「ふたりからひとり」 つばた英子 つばたしゅういち著 先に読んだ「あしたもこはるびより」から五年後のお話である。題名からも察せられるとおりしゅういちさんは亡くなり、ひとりになられた英子さんの話。人の死に僥倖などということはありえないが誤解を恐…

燕の子

小沢信男さんの「ぼくの東京全集」をほぼ読了。なかなか良かった。また池内紀さんの解説がいい。「その書物は溌剌としてエスプリとユーモアに富んでいる。やんわりと毒がこもっていて辛辣で鋭い。それでいて表現に恥じらいがあり、凛とした美意識につらぬか…

豌豆豆

ブルーののチュニックを作った残り布が気になっていた。何かできないかしらんと思案してプルオーバーとカフェエプロンにした。プルオーバーは「すてきにハンドメイド 5月号」の型紙。近頃は洋裁初心者向きに開きのない簡単な作りが掲載されていて助かる。デ…